2010年10月15日金曜日

こないだの大学の授業では

あたまをほぐすからだのレッスン
アレクサンダー・テクニークの Sudio Saltia* オカナオです。


なるべくいつも、大学(日大芸術学部演劇学科)での授業は
自分が大学生の頃に、こんな授業受けてみたかった!と思えるような
自分もみんなも面白がれる内容になるようプランを作ってます。

と言いながら、実際みんなにとってどうなのかはわからないのだけど
わたしにとってはいつも面白くて、勉強になる時間です。
(関係者のみなさまありがとうございます!)
この水曜の大学での授業も、なかなかう~むと唸らされるものでした。


出席してくるメンバーが、毎回ちょっとずつ入れ替わるのだけど
その顔ぶれだったり、それぞれの調子や、関心なんかでやることが変わってくる。

今回は、睡眠時間が少なくて眠い人がいたり
肩こりがあるなんていう人がいたので
腕と肩のマッピング(体地図)をやってみることに。


睡眠不足や緊張なんかで、肩まわりがこわばるのはよくあること。
舞台や人前に立つときにそんな状態だと
パフォーマンスが思うように自由にならなかったりしちゃう。
だから、自分でできる肩まわりのゆるめ方は知っておいたほうがいい。

普段、意識がない場所というのは、とかく放っておかれがち。
そうすると、そこは忘れられるのと同時に、本来の可動性の広さも忘れられる。
それで、体がどんどん硬くなっていっちゃったりする。

まさにそれって宝の持ち腐れ。
体という宝物の活かされる扱い方を知っていたら、そんなに起こらないこと。
自分の体が使役の道具なのか、親友なのか、その関係性で大きく変わること。

そのために、自分の体の構造や、存在感(筋感覚的認識)を味わうこと。
そういう体験の積み重ねが日常的であればあるほど
舞台や人前という非日常の場でもベストパフォーマンスを引き出すべく
自分という全存在(体、意識、心、ぜんぶまるごと)が協力してくれる。

そんな意図で、ボディマッピングと動きの観察と確認を。
(ボディマッピングだけが完璧な方法ではないけれどね!)


肩関節の次には、脚のマッピング。
みんなでやってると遅れて来た人が順次到着。

じつは、遅れてくる人がどんな風に入ってくるかも楽しみの一つ(笑)。
ほとんどエチュード(即興芝居)の登場と同じようなものだし
リアルにその人のキャラクターから生まれてくる表現だから、余計に面白い(笑)。

寝ぐせがついていたり、申し訳なさそうだったり
それぞれの表情やしぐさや動き、みんな生き生きとしていて楽しい。
だからついつい、入ってきた人に手を振ってしまう。
(今度はもっと面白い迎え方できないかな。)


なんだかんだ言いながら、みんな真剣な表情で自分の体と向きあったり
わいわい自由に話しながらそれぞれを観察しあったりしてくれて
その様子を見るほどに、この授業がみんなに助けられているなぁと実感。

やっぱり授業もコミュニケーションの一つだし、双方向のもの。
どちらか一方が積極的なだけじゃ何も起こらない。
自らすすんで興味のあることを見つけたり、面白がったりしないと
なかなかお互いの学びに貢献しあうことはできない。

そういう面でも、先生が生徒に教えるんじゃなくて
わたしも含めてそれぞれがそれぞれから学びあう、そんな場であることが
学ぶということにおいて、いちばん大事なんだなぁ、なんて実感する。


最後の方では、アクティビティ(アレクサンダーの応用)を。
実際の演技の一部をしてもらって、それがどうなるか実験するもの。

Yっちが歌舞伎の演技で実験協力、そして的確なフィードバックをしてくれた。
やっぱり自発的に気がついて、気づきを発言してくれる機会は貴重だ。
Yっち本人にとっても、一緒に学ぶ人にとっても、わたしにとっても
それはかけがえのない贈り物だし、刺激材料にも励ましにもなる。

こういう機会や場にそれぞれが開いていくこと、生み出していけることは
何かを創造していく人にとってとても大事な才能、可能性になる。
自分の才能を掘り起こし、周りの才能を掘り起こすことになるから。

それぞれがそんな風にいられたら、どんなにいいだろうと夢を見ながら
今ここで起こっているそれぞれの可能性の輝きに
わたしはどんな手助けができるだろう?と常々思ってる。


もしかしたら蛇足もあるかもしれないから
わたしの言葉ややることすべてを信じる必要なんてない、って思う。

その分、それぞれが少しでも自分自身との関係をより深めて
自己信頼や自分の頭で考え、自分のことばで話していかれるように
できるかぎり体験をサポートしていけたらなって思う。

人前に立つとき、立たされたとき、その土台が
それぞれをいちばん支えてくれるものだと思うから。



その下支えになるような、この授業の課題を出してみました。



サラ・バーカーさん著の「アレクサンダー・テクニーク入門」と
北山耕平さん著の「自然のレッスン」を読んで
感じたこと、考えたことなどを好きな形式で書いて提出する、という課題。

本は全部読んでもいいし、気になったところだけでもいいし
好きなように読んで、楽しんで課題をやる=楽しめるように工夫すること。

だから、文章でもいいし、書でもいいし、絵でもいいし、工作でもいいし
ダンスにしてきてもいいし、量も好き好き思い思いに
11月24日(水)の授業中までに提出すること。

それも、なるべく楽しんで、面白がってできるようにというのが
この課題でいちばん重要なこと。
(何をするにも、自分が楽しむことが一番重要だから!)

というわけで、ブログ読んでる生徒のみんなは
読んでなくて課題知らない人に知らせてくださいな。
よろしくね。




その他に、役者やパフォーマーとしてはもちろん
体を大切にしたい人はだれでもセルフケアができた方がいいので
アレクサンダーの本ではなく、全く違う方法で体ケアの考え方の本なのだけど
わたしがやっとたどり着いて実践して良かったおすすめの本もいくつか提示しました。

「ライスビート」

「マンガでわかる 西式甲田療法」

「家庭で出来る自然療法【改訂版】」東城百合子著
(表参道のクレヨンハウスに売っていました。)


最終的に、この授業を通してそれぞれが
自分の存在の価値を十分に受け取って活かしていかれるように
どこにいってどんなことをしても、自分は大丈夫、って信頼とともに
必要な行動を起こせる勇気とともに居られるように
今の自分にできることを最大限お手伝いさせてもらえたらなって思ってます。


次回の授業は、人間の意識と体のしくみ(夢を実現する方法)をテーマにします。
好きな画材、筆記用具、スケッチブックなんかを持参で来てね。


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