2010年1月11日月曜日

芸術は「聖職者」によって



今日、TVで辻井伸行さんの特集を見ました。

その中で、メナヘム・プレスラー氏が話していた言葉が印象的でした。


テクニックを競うのはスポーツです。
音楽は芸術です。
芸術は「聖職者」によって表現されなければなりません。

コンサートホールというのは、演奏者にとって聖域たる場所であり、演奏者にとっての神は、モーツァルトやベートーベン、ブラームス、ショパン、リスト、ドビュッシーなどの作曲家たちであり、彼らの曲を美しく演奏するのが「聖職者」です。
「聖職者」は、これらの作品の価値や、生まれたときの衝撃を今に伝えるのです。




役者も、ダンサーも、同じだなと思いつつ、
これを書いていて、ふと気がつきました。

何かに情熱と身を捧げる人というのは誰であれ、それが何であれ、それをする空間、瞬間、体験そのものが聖なる質を帯びてくるもので、だからこそ職人芸と呼ばれるような人たちやその技、彼らの居る場所が美しいのだなぁ、と。

同じことを1万時間以上やり続けると、そのチカラが発揮されて世に出る、という理論もあるのも、こういうところから出てくるのだなと思いました。

わたしもまだまだ時間をかけて、彼の言うような「聖職者」のような職人になっていけたらと思います。